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備えあれば憂いなし!地震に備えて、家具の耐震対策は大丈夫ですか?

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家具の地震対策

地震大国と呼ばれる日本。互いに重なり合った4つの巨大なプレートと呼ばれる岩に日夜押され、いつどこで大きな地震が起きるかわからない安定しない地盤の上で私たちは生活しています。地震は防ぎようがありませんが地震が起きた時に起こす行動により、身の安全度は格段に変わってきます。日ごろの心がけやちょっとした知識で自分自身や大切な家族を守りましょう。

けがの原因の大半は家具の転倒・落下

家具のけがの割合

先の阪神・淡路大震災時に、建物が全半壊を免れたにも関わらず、約6割で家具が転倒し部屋に散乱したというデータがあります。加えて建物の中でけがをした人の約半数(46%)は家具の転倒や落下が原因だったそうです。これに飛び散ったガラスによってけがを負った人(29%)を加えると、実に4分の3の人たちが家具やガラスで被害を受けたことになります。家具をしっかりと留めて、ガラスの飛散防止対策を施せば、阪神・淡路大震災級の地震でもほとんどの人はけがをしなくて済むという事になりますね。

地震

地震時にとるべき行動

スリッパとクッションまず、大きな揺れを感じた時は自分の体の安全を最優先に行動します。揺れの最中にアクションを取るとかえって転倒したり、鍋のお湯や割れたガラスでケガをする例が多かそうです。火を消す場合も、揺れが収まった後にします。まず丈夫なテーブルの下などで物が「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」安全な空間に身を寄せ、揺れがおさまるまで様子を見ます。
夜中、睡眠中の地震では、枕や布団などで無防備な頭をまず保護します。安全の上からも頭を守るためのグッズとして、クッションや枕、座布団などを各部屋に置いておくのは、賢い選択です。リビングならクッション、和室やダイニング勉強部屋ならなら座布団、寝室なら枕やクッションなど、各部屋に一人1個以上用意しておきましょう。寝室のベッド脇に履きやすいスニーカーを一足置いておくのも良いでしょう。
室内でも日ごろからスリッパを履いて行動すれば、地震発生後の散乱物で足の裏をケガすることもなく、素早い行動が可能となります。自分が無傷で行動ができれば、怪我を負った他者を救い出す事もできますから自分の体を優先することが、災害時には必要な心得となります。

家具類のレイアウトの工夫一つで被害は変わる

低い家具地震時の家具類の転倒・落下・移動防止対策としては、人が居る場所や廊下にはなるべくものを置かないレイアウトにします。できるなら1部屋納戸やクローゼットとなる部屋を作りそこに集中的に家具類を配置します。リビングダイニングや寝室にはできるだけ背の高い家具を置かないようにします。特に注意が必要なのは寝室です。就寝中にいきなり地震が起きると素早い対応ができません。寝室に背の高いタンスやチェストが置いてあると倒れて来た時に下敷きになり、大けがや最悪の場合、命を落とす可能性があるのです。家具の中身の収納の仕方も工夫次第で安全度を増すことが出来ます。重たい物は下の引出しに入れて、上には出来るだけ軽いものを入れる。タンスの上部には重たい物を乗せないなど…小さな工夫をコツコツと重ねることで大きな安全になっていくのです。
どうしても置かなければいけない場合は、壁に一体化する造り付けタイプの家具が安全でお薦めです。しかし賃貸や転勤族で移動がある場合は難しいですよね。そういう場合は耐震対応の突っ張りタイプの家具収納を探しましょう。それでも100%安全ということはあり得ません。寝室にはせいぜい腰までの高さの家具を選ぶのが懸命です。

家具の高さだけでなく置く場所も大変重要です。地震災害によって家具が倒れた時に何が起こるか、想像力を働かせてシミュレーションをしっかりやっておきましょう。特に重要な避難経路(人が避難するのに必ず通る経路)を家具が倒れて塞いでしまうのが一番最悪です。各部屋のドアの前、トイレ、洗面所のドアの前等に大きな家具はありませんか?もし倒れたら避難経路をふさいでしまいませんか?仮に倒れても影響のない位置に移動しておきましょう。

地震時の家具転倒のメカニズム

家具は大きな地震の時、建物本体の揺れ方、家具それぞれの揺れ方、あるいは家具を置いた床材の種類などによって、様々な動き方をします。洋ダンスや冷蔵庫のような背の高い家具や家電製品には、前後に揺れながら歩いて移動してしまうロッキング移動と呼ばれる動きをしたり、食器棚や整理ダンスのように積み重ねてある家具の上の部分や、テレビ台に載ったテレビなどがジャンプをしたり落下したり、ずるずる地面を移動したり、まるでゾンビのように四方八方に動き回ります。さらに下が畳などで柔らかい場合はより倒れやすくなります。あくまで想定ですが、地震が起こった時に家具がどのような動きをする可能性があるか、予想しておくことは大切です。

家具転倒のメカニズム

最近、人気の高層マンション・タワーマンション等では、通常の揺れよりも長い周期で揺れる「長周期地震動」が心配されています。これは揺れ自体はゆっくりですが、長い時間に渡って大きく揺れ続ける地震動で、高層建築の上層部では最大数メートルの揺れになると言われています。このクラスの揺れになると100kg近い重さの家具でも大きく揺すられ数メートルも動いたり、転倒することが考えられます。もし近くに人がいたら大変な事態になるのです。
国交省は超高層ビルに対して長周期地震対策をすることを義務付ける方針のようです。安全な建物に住むことも一番ですが、ご自身で今すぐ出来ることもたくさんあります。高層マンションにお住まいの方は、特に注意をして地震対策をして下さい。

家具転倒防止グッズ/耐震グッズにはどんな物があるのか?

地震に備えてと言っても、今ある家具をすべて買い換えたり作り付けにするのは費用面でなかなか難しいと思います。安全対策としては家具転倒防止グッズで補強することが一番現実可能な対策になります。主な耐震器具をご紹介します。

●L字型耐震金具

L字型耐震金具は、その名の通りL字型の金具で家具の天井面と壁をネジによって固定します。壁の横板(鴨居)や壁の中にある芯材(桟/さん)に固定するのが最も効果的な方法です。壁に固定するには、壁のなかに隠れている桟を探し出します。
桟には、縦方向の縦桟と横方向の横桟がありますが、縦桟を見つけられれば、家具の高さにかかわらず、壁に固定することができます。 この縦桟の位置を確実に知るには、設計図を見たり、施工会社に問い合わせて見ることです。 不明の場合は、ドライバーなどの太い柄の部分で、壁を少しずつずらしながら叩いてみると感覚で梁の位置が解ります。桟は、30cmあるいは45cmに1本の間隔で入っているケースが多いです。ただ防露壁や石膏ボードには桟が入っていない場合も多いので確認が必要です。
しかし、一番効果が高いと言われているこの金具ですが、壁の剛性が弱いと取り付けた金具とネジもろとも簡単にもげてしまう可能性があります。L字型耐震金具の性能を引出すには、しっかりとした壁に取り付けることが前提となります。

●ベルト式耐震金具(チェーン式も含む)

ベルト式器具は家具の天井前面と壁とをそれぞれねじ止めした金具をベルト、金属チェーン、ワイヤーなどで固定する方式です。L字型耐震金具がそのままベルトになったイメージをお考え下さい。固定にはL字型と同じネジ止めするタイプが基本です。固定する場所は壁の芯材や鴨居と同じですがベルト式になっていることである程度取り付け位置に自由度があります。商品にもよりますが10〜90cm程度の長さ調節ができるようです。家具より少し高いところにある鴨居に取り付けることが多いようです。L字型ですと金具の形が決まっているので家具の上部から離れている鴨居には届きません。
ベルト式耐震金具とほぼ同じ構造で、ベルト部分が金属製のチェーンになっている金具もあります。使用法、性能はほぼ同じものです。他にもベルト式でネジ止めではなく粘着シールを使ったものもあります。こちらは大型家具ではなく、パソコンやテレビ等を卓上に固定するためのものです。

家具の耐震器具

●ポール式耐震器具(突っ張り棒式)

突っ張り棒は、もともとは耐震器具ではなく収納アイテムです。洗面所やトイレ・押し入れ等の上部の壁と壁の間に「突っ張り棒」を突っ張らせて簡易式の棚やポールとして使うものです。この仕組みを応用しているのが突っ張り棒式耐震器具です。
突っ張り棒の長さを調節して家具の上面と天井の間に突っ張らせて固定します。最大の長所は取り付けが簡単で、家具はもちろん壁や天井にキズを付けないで取り付けることができる点です。この点が大変受けて数年前迄は突っ張り棒は家具の耐震器具として一番人気でした。しかし最近ではL型やベルト式の耐震器具に押されています。
理由としては近年、大型地震が頻発するようになり、人々が本当に地震対策を考えるようになったことです。家具や壁に多少キズが付いても耐震能力の高い器具を付けることが大切だと人々が気がついたのです。突っ張り棒タイプは取り付けは簡単ですが、文字通り突っ張っているだけなのでどこも固定されていません。構造上、前後の動きにはある程度効果がありますが、左右の動きが不規則に加わると簡単に外れてしまうことがあります。また、他の耐震器具と同様に取り付けをする天井の強度によって耐震性能が大きく変わってきます。

●ストッパー式耐震器具

ストッパー式耐震器具は、家具の底の前下部にくさび上に挟み込み、家具を壁側に傾斜させるタイプとなります。仕組みは非常に単純で、少し傾斜が付いたシートを挟み込むことで家具全体に少し角度を付けて後ろに倒した状態にするものです。ストッパータイプは家具の転倒を根本的に抑えようとする器具ではありません。あくまでも補助的な効果とお考え下さい。また、畳やじゅうたんなど柔らかい床面の場合ほとんど効果を発揮出来ない場合があります。
ストッパー式耐震器具は単独使用でなく、他の耐震器具と併用するように各メーカーから推奨されています。中でもポール式突っ張り棒タイプの耐震器具と併用すると効果があると言われていますが、L字型やベルト式器具でも併用すると効果があります。ストッパー式は値段も安いですし、取り付けも簡単ですので必ず併用するようにしましょう。

●粘着マット式耐震器具(耐震マット)

粘着性の強いゲル上のマットを家具の底面と床面(設置面)の間に挟み込んで粘着力で接着します。大型の家具ではなく、パソコンやテレビ、花瓶などを卓上に固定する為に使われることが多いです。様々なタイプ、サイズがありますので固定する家具のサイズに合わせて選んで下さい。適応サイズを間違わなければ充分な強度を発揮します。

●ガラス飛散防止フィルム

家庭内には他にも危険なものがあります。それは「ガラス」です。普段は快適な生活を支えるガラスも一旦割れると、とたんに凶器になり得るのです。地震で割れた窓ガラスや倒れた家具のガラスは、部屋中に尖ったガラス破片となって飛び散ります。前述したようにスリッパを使うようにすること、寝室等にスニーカーを用意しておくことでガラスによる足のけがを予防することは出来ます。加えてガラス飛散防止フィルムを食器棚やキャビネットに貼っておくことで効果があります。

家具の耐震グッズのまとめ

強度的にL字型金具が付けられれば問題はないのですが、L型金具はビスで金具と壁を固定する必要があるため、勝手に壁側に穴を開けられない賃貸住宅には向きません。また持ち家の場合でも、一般的な壁は石膏ボードではビスが効かずに設置できない家庭も多くなります。そんな時は、家具と天井の間にポール式耐震器具(突っ張り棒)を設置し、家具の底面にはストッパー式耐震器具を併用します。しっかりと取り付けすれば、L字型やベルト式と比べても遜色のない強度を得ることも可能です。また、ポール式を付けなくても家具の上部と天井との間にすき間無く丈夫な段ボール箱を押し込むことが出来れば、見栄えは悪くなりますが、同様の転倒防止対策ができます。
また、食器棚では、開き戸よりも引き戸や引出し式の方が、地震の際に中にしまっておいた陶器やガラス食器が中から飛び出しにくいので安全と言われています。特に下部に大型の引出しがある食器棚は、そこに食器類を納めることで食器棚全体の安定度も上がります。配置も割れるものを下に配置し、上は軽いものや、ストックの食品などを置くようにすると被害が最小限で済みます。

いつ来るか分からない地震。しかし過去の歴史からわかるように数十年おきに必ず起きているのです。明日来るのか10年後なのか分からないだけです。今すぐにでも出来る限りの準備をしておくべきでしょう。後悔しないために。

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