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自然の色合いこそが、ウェンジの魅力

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wenge

黒く穏やかに沈んだ色調と独特の繊細な木目が美しい、モダンにもトラディショナルにも馴染むマメ科の木材がウェンジです。ウェンジを産出するザイール(コンゴ)がフランス領だった関係から、palisandre du congo (パリサンドルドコンゴ)の別名がありフランス語の発音で、ベンゲとも呼ばれています。原産地は東南アジアと、アフリカ産とがあり、東南アジア産をミレシア、アフリカ産をウェンジと呼び区別しています。アフリカ産のものは、中央部ザイール、カメルーン、ガボンなどに生育しています。成長すると樹高は18メートルほど、幅は60㎝以上になります。日本ではムラサキタガヤサンと呼ばれています。

日本で鉄刀木は「紫檀(シタン)、黒檀(コクタン)、鉄刀木(タガヤサン)」と呼ばれ、唐木の最高銘木とされ珍重されていました。鉄刀木は、主にタイやインドなど東南アジアから産出されますが、昔から珍重され高値で取引されるがゆえに資源が激減、今ではビルマ近辺産のものは、資源保護のため輸出禁止となっています。その貴重な鉄刀木の代わりに使われることが多いのが、アフリカ産のウェンジです。表面に黒褐色の面と少し淡い金色を帯びた筋が通ることによる縞模様が縦横にみられる鉄刀木に比べると、かなり漆黒に近い濃褐色になるのがウェンジですが、仏壇や、飾り台、置物、家具などに使われる場合、表面を脱色処理して、色合いをタガヤサンに似せて使われるので、ウェンジという名前そのものが表に出ることは比較的少なく、タガヤサンだと認識されているケースも多いようです。

現在は鉄刀木の代用品としてでは無く、モダンな存在感を持つ漆黒な木として、「ウェンジ」の名前は有名になって来ています。原産地がフランス領であった関係から、フランスにも多く輸出され、黒のスタイリッシュなイメージに、ヨーロッパのデザイナーが注目して家具に使用したことから人気が沸騰し、今ではシンプルでモダンな雰囲気を醸し出すインテリア材として、家具や1枚板のテーブル、建具、内装材、楽器、チェスなどに幅広く使われるようになりました。たた、そのウェンジも人気から多くが伐採され、今では絶滅危惧種となり今後は鉄刀木と同じように輸出禁止になる日も遠くないかもしれません。

ウェンジは大変重くて硬い木材です。そしてウェンジを特徴づける漆黒の木の色は天然の色。製材時は内側は褐色や金褐色ですが、大気に触れると短時間で外側から紫色に、最後には全体が紫色に変化します。木材の主な色素成分はフラボノイド類とキノン類の2つ。フラボノイドは無色または黄色で、木の表面が空気に触れることで、共役二重結合や水酸基を増すにつれて色が濃くなります。もう一つのキノンは黄・赤・紫・橙などの鮮やかな色をしていて、黒檀やチークといった濃い色調の木材に多く含まれています。着色した黒では得られない奥行きのある渋みこそ、ウェンジの魅力そのものです。

ウェンジの個性を味わうのなら1枚板として使用するのが一番。1枚板として仕上げてみると中心部は、黒または褐色で、淡色の細かい縞が規則的に入るリップルマークと呼ばれる独特の美しいさざ波模様が見られます。外側近くは白色。通直な木目を持ち木理はやや交錯し、肌目が粗いのが特徴です。材質は重く、耐久性に富んでいて滑らかな仕上がりが得られます。また、油分が多く、磨きこむことによって自然で美しい艶が出てきます。

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